【胡蝶蘭の鉢】選び方や手入れのポイントについて紹介!鉢を使わない栽培方法とは?

胡蝶蘭の寿命を延ばして長く楽しむためには、鉢に植え替えるタイミングが重要です。
また、胡蝶蘭の栽培に適している鉢の素材についても知っておくことで、胡蝶蘭をより育てやすくすることができますよ。
今回は胡蝶蘭の鉢について、鉢に植え替えるタイミングや鉢の選び方のポイントについて紹介します!
胡蝶蘭を鉢に植え替えるタイミング
数ある花の中でも「寿命が長い花」として知られる胡蝶蘭。
正しい方法で育てると1〜3か月ほど楽しむことができます。
また、胡蝶蘭は一度花が落ちても何度も花を咲かせられるという特徴があります。
そんな胡蝶蘭の寿命を長くするために重要なのが、鉢に植え替えるタイミングです。
植え替えに最適なのは4〜6月の春が過ぎたあたりのタイミング。
胡蝶蘭は冬に弱い植物のため、寒い時期の植え替えは控えましょう。
暖かい季節に備えて冬に栄養を蓄えるため、冬が過ぎた春ごろに植え替えを行うのがベストです。
胡蝶蘭は毎年植え替える必要はなく、基本的には2〜3年に一度で問題ありません。
しかし、あくまでも2〜3年は目安であるため、胡蝶蘭が弱ってきたり水苔やバークにカビや腐食が発生したりする場合は、時期を待たずに植え替えを行いましょう。
また、胡蝶蘭は直射日光に弱い植物ですので、室内でも直射日光の当たる場所は避けて育てるのが基本です。
直射日光は、葉が黒くなったり白くなったりする「葉焼け」の原因になります。
葉焼けは植物の病気のもとになるため、もし葉焼けを見つけたらその部分を排除して、直射日光の当たらない場所で管理しましょう。
胡蝶蘭の栽培に向いている鉢の素材とは?
胡蝶蘭を育てる際、「鉢」にこだわる人は少ないかもしれません。
しかし、鉢の素材によって胡蝶蘭はさらに美しい花になる可能性を秘めています。
胡蝶蘭の栽培によく使われる鉢の素材には、以下のものがあげられます。
- ・素焼き
- ・陶器
- ・プラスチック(ポット)
素焼き
1つ目は「素焼き」です。
素焼き鉢は、水をよく吸収する上に、空気をよく通すため、胡蝶蘭の根の成長を支えてくれます。
また、水苔(ミズゴケ)との相性がよいのも特徴です。
水苔は保湿性が高いため、通気性のある素焼き鉢と一緒に使うことで、水やりの頻度が少なく済みます。
一方、樹脂の皮を原料としたバークとの相性は悪いので要注意。
素焼きとバークを一緒に使うと、土が乾きやすくなり、毎日水やりが必要になってしまいます。
陶器
2つ目は「陶器」です。
陶器には「常滑焼き」や「瀬戸焼き」「三河焼き」などさまざまな種類がありますが、表面がツルツルしているため、基本的に水を弾きます。
保湿性の高い水苔と一緒に使うと、胡蝶蘭が腐りやすくなるので要注意。
したがって、鉢の陶器にはバークを使うのがオススメです。
バークは水苔と比べても腐りづらく通気性がよいため、胡蝶蘭の根腐れも起こりにくくなります。
プラスチック(ポット)
3つ目は「プラスチック(ポット)」です。
プラスチックは水を一切吸わないため湿度を保ちやすい特徴があります。
しかし、湿気がこもって湿度が高くなりすぎる可能性があるので要注意。
湿度をコントロールできず、結果的に根腐れしてしまうケースも少なくありません。
そのため、水やりの回数をうまくコントロールする必要があります。
プラスチック鉢の場合、バークで育てるのがオススメ。
バークは水はけがよいため、プラスチックなど通気性のない鉢が適しています。
胡蝶蘭の鉢の選び方のポイント

胡蝶蘭を育てる鉢の素材についてお伝えしましたが、素材以外にもいくつか選び方のポイントがあります。特に意識したいのは以下のポイントです。
- ・鉢の大きさ
- ・鉢の形
鉢の大きさ
胡蝶蘭を育てる上で鉢の大きさについても重要になります。
小さすぎると株の成長に耐えられず、大き過ぎると植え込み資材が乾きにくくなり、根腐れを起こしてしまうのです。
そのため、胡蝶蘭の株の成長に合わせて鉢のサイズも大きくしていくのがよいでしょう。
たとえば、3号鉢が小さくなってきたら3.5号鉢に、3.5号が小さくなってきたら4号鉢に替える、などです。
鉢は最大でも4.5号程度にしておくのがよいでしょう。
5号以上の鉢にしてしまうと、植え込み材が水を含みすぎることで「根腐れ」の可能性が高まります。
また、鉢から根がはみ出ることもありますが、そもそも自然の胡蝶蘭は木の幹に根を張って自生しています。
そのため水苔やバークといった植え込み材に根が埋まりきっていなくても問題はありません。
鉢の形
大きさだけでなく、鉢の形も意識するとよいでしょう。
鉢の素材やサイズほど気にしなくて大丈夫ですが、形によって根が痛みやすくなることもあるので注意が必要です。
特に「直径と同じ高さ」もしくは「少し低めの鉢」がオススメ。
直径の半分ほどの高さがあれば十分でしょう。
発泡スチロールが胡蝶蘭の植え替えには最適?

胡蝶蘭の植え替えに役立つのが発泡スチロールです。
胡蝶蘭に限らずあらゆる観葉植物に対して発泡スチロールは有効といえます。
そもそも観葉植物が枯れてしまう原因は、水の摂りすぎによる根腐れがほとんど。
発泡スチロールを鉢の代わりに使うというわけではなく、鉢の底に敷いたり、根と根の間に挟んだりして使います。
鉢内で使う土の量が減ると、水はけがよくなるのです。
水分をコントロールしやすくなり、胡蝶蘭の根腐れ防止につながります。
また発泡スチロールには保温効果も。
たとえば冬季など気温が冷え込むとき、発泡スチロールの中に鉢を入れることで観葉植物を凍結から守ります。
また発泡スチロールの他に鉢底石を使うのもよいでしょう。
軽石などで作られた石のことで、鉢内の通気や排水の促進に役立ちます。
その他にもコルクやヤガシラなどが代用品として使われますが、価格や使い勝手などの実用性でいえば発泡スチロールに軍配が上がるでしょう。
胡蝶蘭の空中栽培とは?
空中栽培とは、植物を鉢ごと、または根を直接、天井などから吊るして育てる方法です。
胡蝶蘭は野生では木に根を絡ませて自生しており、土に植えることなく育つ性質があります。
そのため、空中栽培は胡蝶蘭に適した栽培方法といえます。
特に、水苔やバークチップなどの植え込み材を使わない「素根」での空中栽培は初心者にも扱いやすい方法です。
空中栽培の準備
吊るす場所と器具の準備
まずは、胡蝶蘭を吊るす場所を決めましょう。
以下の条件が理想です。
- ・風通しが良い
- ・直射日光が当たらず、カーテン越しのやわらかな光が入る
- ・温度22℃前後、湿度60〜80%
場所が決まったら、天井にフックを取り付けてワイヤーを下げたり、カーテンレールに紐を括りつけたりして、胡蝶蘭を吊るす準備をします。
胡蝶蘭の吊るし方は2通りあります。
- ・鉢に紐を結びつける
- ・水苔を巻いた根を紐で括り、吊るす
根はしっかりしていても、直接紐を結ぶのは避けましょう。
水苔を残した状態でやさしく括るのが安全です。
根の処理
胡蝶蘭を鉢やポットから取り出し、水を張った容器で土やチップを丁寧に洗い流します。
ただし、水苔は落とさず、そのまま根に残しましょう。
水苔がついた状態の根を紐で括り、吊り下げれば準備完了です。
植え込み材がある方が扱いやすいと感じる人もいますが、水苔のみで吊るす方法も一般的です。
空中栽培での育て方・水やり
空中栽培では、水やりや葉のお手入れをこまめに行うことがポイントです。
根が露出しているため乾燥しやすく、定期的なケアが必要です。
根の水やり
毎日夕方に行いましょう。
胡蝶蘭は夜に水分を吸収する性質があるため、日没後がベストです。
吊るしている胡蝶蘭を一度下ろし、根だけを水を張ったバケツに10〜20分ほど浸します。
浸水後、再び紐で吊り下げれば完了です。
水やりの頻度は季節や室温・湿度によって調整が必要です。
葉水(はみず)
1日に2〜4回を目安に、葉の表と裏に霧吹きで水をかけましょう。
葉の様子もこまめに観察してください。
- 健康な葉:みずみずしくハリがある
- 異常な葉:黒ずみ、しわ、乾燥、葉焼けなど
異常が見られた場合は早めの対処が大切です。
空中栽培のメリット
胡蝶蘭の空中栽培は、見た目が美しく、インテリア性が高いのが大きな魅力です。 宙に浮かぶように咲く姿は空間をすっきり見せ、癒しを与えてくれます。
また、根が空気に触れることで通気性が良くなり、根腐れのリスクも減ります。
植え込み材を使わない「素根」であれば根の状態がよく見え、水やりのタイミングも判断しやすくなります。
吊るすことで部屋の上部の暖かい空気に触れやすくなり、胡蝶蘭にとって快適な環境を保ちやすいのも利点です。
空中栽培の注意点
乾燥には注意が必要です。エアコンの風が直接当たらない場所を選び、湿度管理も欠かせません。
加湿器の使用や葉水をこまめに行いましょう。
また、紐を直接根に結ぶと傷む可能性があるため、水苔を巻いてやさしく固定するのが基本です。
吊るす高さは、見た目だけでなく水やりやお手入れのしやすさも考慮して調整します。
直射日光は避け、レースカーテン越しの柔らかい光が当たる場所に吊るすようにしましょう。
まとめ
寿命が長く育てやすいといわれる胡蝶蘭。
とはいえ、胡蝶蘭に適した鉢を使ってしっかりと手入れしてあげることが大切です。
少しでも胡蝶蘭の寿命を長くするためにも、素材やサイズなど「鉢選び」に気を遣ってみてください。
\ご依頼はこちらのバナーから/
弊社は、SDGsの実現に向けた取り組みの一環として、NPO法人「AlonAlon」のフラワープロジェクトで栽培された胡蝶蘭を販売しております。